相互作用が問題となるグレープフルーツジュースの量はどのくらい?

明確な量はわかりません。
一緒に飲む薬の種類や代謝の個人差により一概には言うことができません。

まず重要なポイントは、グレープフルーツと薬物の相互作用は不可逆的な機構に基づいており、量が少なくても消化管の酵素(CYP3A4)が失活してしまうくらいに強烈であるということです。したがって、相互作用がもともと少ないアムロジピンやジルチアゼム以外のカルシウム拮抗薬については少量でも注意が必要になります。

次に重要なポイントは、カルシウム拮抗薬とグレープフルーツの相互作用には個人差があるということです。事前に相互作用が強く出るか、弱く出るかを推測することは現時点では不可能です。またグレープフルーツや種々食品に含まれる阻害物質の量には、果実の種類や部位、ジュースの種類、その他の食品間で違いがあり、目の前の患者が摂取したグレープフルーツの種類や量を確定することはできません。

コップ一杯程度のジュースでも相互作用が出るとの報告や、3~7日も相互作用が持続するなどが報告されています。
グレープフルーツの摂取量や、薬とCYP3A4との関係などから、相互作用も「絶対禁止レベル」から「気にしない程度」まで様々なので、どうしたらよいのか悩んでも回答はないことになります。

いろいろな考え方ができると思います。

アムロジピンやジルチアゼムのように相互作用の程度の低い薬剤に対しては、グレープフルーツの摂取は問題ないと考えられますが、個人差があるため、なるべく摂取は控えるベほうがベターだという考え方。

単純に「お薬と一緒にグレープフルーツを摂取することは厳禁」と判断するのではなく、個人差の影響、相互作用を危惧する薬物の副作用の症状と程度、高齢者など影響を受けやすい対象者など、個別の状況を考慮して柔軟に対応するという考え方もあります。