グレープフルーツ(ジュース)はカルシウム拮抗薬の肝臓での代謝に与える影響を与えますか?



カルシウム拮抗薬を経口投与する場合にはグレープフルーツ(ジュース)摂取によって血中濃度が上昇しますが、静脈内投与する場合には殆ど変化しません。
また経口投与した場合でも血液中の消失半減期にグレープフルーツ(ジュース)摂取の影響はみられません。
したがって、通常飲用する量のグレープフルーツ(ジュース)に含まれる阻害成分は消化管(小腸)のみで阻害作用を発揮し、肝臓での代謝には影響を与えないと考えられます。

もちろん、カルシウム拮抗薬は消化管(主に小腸上皮細胞)と肝臓の両方で解毒代謝されることは知られています。カルシウム拮抗薬とグレープフルーツ(ジュース)の相互作用が消化管のみで起こるのか、または肝臓も関係するのか、という問題は臨床試験によって解決されています。カルシウム拮抗薬(フェロジピンあるいはニカルジピン)の経口投与では、グレープフルーツ(ジュース)の服用により血中濃度が増加しますが、(消化管吸収過程が関与しない)静脈内投与では、その体内動態(血中濃度推移)は変化しません。ミダゾラム、シクロスポリンでも同様でした。(*)
このことは、グレープフルーツ(ジュース)の摂取は、消化管における解毒を特異的に阻害し、肝臓においてはほとんど阻害しないことを意味しています。

この理由は、グレープフルーツ(ジュース)に含まれる酵素阻害物質が、消化管上皮細胞のみで働き、肝臓へは移行しないことによると考えられます(酵素阻害物質は消化管内で代謝されることなどが示唆されています)
しかし、多量のグレープフルーツ(ジュース)を長期間にわたって摂取した場合には、消化管のみではなく、肝臓にも阻害物質が移行して肝臓での代謝に阻害作用を与える可能性がありますので、注意が必要です。

(*)
PMID:7628179